子どもの日本語(JSL)教材の蔵

日本語教師による「かゆい所に手が届く」を目指したJSL教材紹介ブログ。個人的見解の備忘録でもあります。

はじめに ~外国につながる子どもの日本語指導の教材選びを効率的にしたい!

 

はじめまして

日本語教師をしている まゆゆな と申します。

 

2020年の仕事始めとともに、ブログを開設することにしました。

このブログの目的はずばり!

 

「外国につながる子どもの日本語・教科学習指導の既存教材の活用を手助けをすること」

 

です。

 

外国につながる子どもに関する報道も増えてきましたが、

その多くで枕詞のように「現場では手探りが続く」という表現が使われています。

いつまで手探りを続けるんだ?と思う一方で、

わたし自身もやはり現場で手探りを続けている実感があります。

 

なぜか?

子どもは

年齢、来日時期、母語(習得状況)、これまで受けてきた教育、家庭環境、学習習慣、希望進路…

そして、もちろん日本語力

背景が実に多様です。

 

例えば、極端な例ですが、

同じ日本語ゼロの英語圏の子どもに「本」という単語を教える場合

 1、「BOOK」と母語を読んで理解できる

 2、「BOOK」と読めないが、母語を聞けば理解できる

 3、「BOOK」と母語を読めないし、聞いても理解できない

 4、そもそも「本」というもの(概念)を知らない

1~4の子どもに同じ教え方はできません。

 

目の前の子どもにぴったりの教材を探し出すには時間も知識も必要で、

結局、多くの人が教材を自作するなど、苦心しているのではないでしょうか。

 

文科省「かすたねっと」https://casta-net.mext.go.jp/

 

のように、既存教材が集められたサイトはいくつかありますが、

教材名と簡単な紹介文だけがずらりと並んでいるリストから、

目的の教材を探し出すのはなかなか難しいことです。

 

教材選びは子どもの多様性にプラスして、

・どんな使い方で(教材全体を使うのか、どうカスタマイズできるか…)

・どんな場で(学校内の日本語教室、地域の支援教室…)

・どんな指導者が(日本語教師母語通訳・サポーター、学校教員、ボランティア…)

・どのぐらいのペースで(毎日、週に~日、一回あたり~時間…)

などの条件も加わります。

 

リストを見ても、「うーん、探しているものと違う」が続いて、時間だけが過ぎていく…

そんな経験をされた方も多いと思います。

 

それで、自分にできることを考えた結果、

わたしの独断と偏見に満ちていたとしても、使った教材についての情報を紹介することは誰かの役に立つのではないかと思い、ブログを始めてみることにしました。

 

外国につながる子ども(海外ルーツ、外国人児童生徒、日本語指導が必要な、JSL児、CLD、渡日生、移動する…)に関わる方に役立てていただけることを願って。

  

さて、どこまで続くか…?

とりあえず、やってみます。